ヘルパンギーナとは?
ヘルパンギーナは夏ぜとも言われていますが、ウイルスによって起こる病気です。具体的にはコクサッキーウイルス、エコーウイルス、エンテロウイルスなどによって起こります。
乳幼児を中心に夏に流行し、毎年7月頃にピークを迎えます。
同じく夏に増えてくる手足口病があり、症状が似ていますが、ヘルパンギーナは高熱が出ることが特徴です。子どもの三大夏かぜの一つとも言われることがあります。
ヘルパンギーナという名前を近年耳にする人も多いかと思います。先日受診してくれた兄弟さんがいたのですが、弟さんの喉の診察の時に、お兄ちゃんが”喉に白いのある?ヘルパンギーナ?”と聞いてくれていて、子どもにまで浸透しているんだなぁと個人的に感じています。
ヘルパンギーナの症状
ヘルパンギーナの症状の特徴は、突然の発熱と喉の赤み、また喉の奥に小さな水疱を作り、その水疱がつぶれて潰瘍を形成することです。喉の痛みによって水分摂取が出来ない、食事が取れなくなるお子さんもいます。
熱はだいたい2〜4日で治まり、それに遅れて喉の症状も改善していきます。
熱に伴い痙攣を起こすことや無菌性髄膜炎を伴うこともありますが、ほとんどの患者さんは予後良好です。
ヘルパンギーナに効果的なお薬
残念ながら現在はヘルパンギーナに効果的なお薬はありません。
ウイルスによるものなので、普通の風邪と同じように抗生剤は効果がありません。
対症療法と言って、症状を和らげるための対応を行います。
・脱水にならないように水分をしっかり取る
・発熱の症状を和らげるために解熱剤を使う
などが一般的です。
クリニックでは解熱剤を処方します。お子さんの様子を見ながら使用しましょう。
ヘルパンギーナの感染力と予防
ヘルパンギーナはウイルスが原因で起こる感染しやすい病気で予防がとても大事です。
新型コロナの流行でみなさん徹底していると思いますが、感染者との密な接触を避ける、手洗いうがいをしっかりする、手指の消毒をするなど普段出来ていることをそのまま継続しましょう。
ヘルパンギーナは接触感染で人から人へうつります。
接触感染には直接接触感染と間接接触感染があります。
・直接接触感染
感染源である人に握手や抱っこ、キスなどで直接触れることによって起こる
・間接接触感染
遊具やドアノブや手すりなど汚染されたものに触れて起こる
ヘルパンギーナが住んでいる地域やお子さんの通っている園で流行している場合は、家に帰った時にうがいと手洗いを一緒にするようにしましょう。
ヘルパンギーナになったらいつ保育園に行ってもいい?登園許可証は必要?
ヘルパンギーナは学校で予防すべき伝染病には含まれていないので、登園許可証は原則必要ありません。ただ、私の経験上、保育園や幼稚園によって独自に必要としているところがあるようです。その場合はクリニックにご相談ください。
熱が下がっていて普段と変わりのない状態であれば登園・登校は可能です。
ちなみにウイルスは症状が改善しても長期にわたって(2〜4週間くらい)糞便中に排泄されます。
糞便の処理の後は石けんでの手洗いをしっかりやりましょう。
今回はヘルパンギーナについて書いてみましたが、いかがでしたか?
皆さんの理解が深まる一助になれば嬉しいです。
改めて思いましたが、やはり手洗いうがいって大事ですね。
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