なぜこの時期に花粉症のブログなのか?と思われた方がいると思いますが、花粉症は正しく治療が行われるとアレルギー症状を治したり、長期にわたり症状を抑えられる病気になってきています。その治療を始めるのがちょうど今の時期なのです。理由については後ほど書きます。なので今回は治療法に触れつつ花粉症について書いてみますね。

 

アレルギー性鼻炎とは?

花粉症を解説する前に、まずはアレルギー性鼻炎からご説明したいと思います。

なぜかと言うと、花粉症とはアレルギー性鼻炎の中で花粉が原因となって起こるものをそのように呼んでいるからです。

アレルギー性鼻炎とは、花粉、ダニ、ハウスダスト、カビ、ペットの毛などのアレルゲンが鼻に入ることでくしゃみ、鼻水、鼻詰まりなどの症状を起こします。

このアレルギー性鼻炎は繰り返し上記のようなアレルゲンが鼻に入ることによって症状が強くなり、長く続き、また自然に治ることが少ない病気です。

このアレルギー性鼻炎は一年中症状のある通年性アレルギーと、ある時期だけ症状のある季節性アレルギーに分けられます。

季節性アレルギーの代表格が皆さんに馴染みのあるスギ花粉症なのです。

 

花粉症とは?

花粉が原因となってアレルギー性鼻炎の症状(くしゃみ、鼻水、鼻詰まり)を起こします。

実は花粉症の原因となる花粉はスギだけではないのです。

 

1月上旬から4月下旬:ハンノキ

1月上旬から5中旬:スギ

2月上旬から5月下旬:ヒノキ

4月中旬から6月中旬:シラカンバ

4月中旬から11月中旬:カモガヤ、ホソムギ

8月上旬から10月下旬:ブタクサ、ヨモギ、カナムグラ

 

こんなにたくさんあるのですね。。。

これらの花粉が飛ぶ季節のみ症状が現れます。

 

花粉症の症状は?

花粉症のメインの症状は繰り返すくしゃみ、鼻水、鼻詰まりです。

その他、目の痒みや頭痛を訴える方もいます。

これらの症状が続くので、子どもの場合は勉強に支障がでたり、記憶力の低下、集中力の低下、野外活動への支障、友達付き合いへの支障、睡眠障害などあらゆる日常生活に悪影響を及ぼします。

 

花粉症ってどうやって診断するの?

まずはお話を聞いて、症状の出る時期や程度、他のアレルギーがあるかなどを確認し、アレルギー性鼻炎か他の疾患かを判断します。

その後血液検査や皮膚の反応の検査を行います。

 

花粉症の治療方法は?

一番はアレルゲンを避けることです。

花粉症用のメガネやマスクを活用しましょう。花粉症用ではなくても普通のメガネでも目の症状を和らげるという報告があるのでネガネの使用はいいかもですね。もちろんそれでも目が痒いという方には目薬もあります。

飲み薬としては、症状を和らげるお薬に抗ヒスタミン薬というものがあります。

副作用で眠気が問題になることがあるのと、年齢によって飲める薬が決まっているのでお子さんの場合はその子に処方されたお薬を飲みましょうね。

その他、鼻噴霧ステロイドがあります。ステロイドと言うと使用にやや抵抗を感じる方もいるかと思います。最近の鼻噴霧ステロイドは全身的な副作用は極めて少なく、抗ヒスタミン以上に効果が高いです。

いずれにしろ、花粉が飛散する少し前から治療を開始するか、症状が出現し始めたらすぐに治療を開始することでピーク時の症状を抑えられます。

 

舌下免疫療法とは?

お待たせしました!!今回のメインのお話です。

舌下免疫療法とは漢字の通りですが、舌の下にお薬を置いて内服する治療方法です。

このお薬にはアレルギーの原因であるアレルゲンが含まれていて、少量から投与することで体をアレルゲンに慣らし、症状を和らげたり、根本的な体質改善が期待できる治療方法です。

スギ花粉が飛散している時期には新たにこのお薬による治療を開始することができません。

なぜなら、スギ花粉症のアレルゲン(原因)はスギ花粉であり、スギ花粉が飛んでいる時期はスギ花粉に対する体の反応が過敏になっているからです。

 

舌下免疫療法は少し特別な治療なのでしっかり講習を受けた医師がいる病院で行います。

いくつか注意事項があるので書いてみます。

・検査でスギ花粉症と診断された患者さんが受ける事ができます

・アレルゲンを投与するのでアレルギー反応が起こることがあります

・毎日の服用が必要です

・定期的な受診が必要です

・治療期間はおおよそ3〜5年です

 

他にもたくさんの注意事項があります。この治療を始めたいと思った方には当クリニックでも行えますので受診いただいたら詳細を説明いたします。

今すぐに、とっても知りたいという方は以下のページを参照ください。

https://www.torii-alg.jp/

 

 

私が小さな頃は舌下免疫療法という治療がまだなかったため、発症してしまった花粉症に対して鼻スプレーだったり、内服薬だったりで対処していました。

医療も発展し、花粉症も治る時代になったのだなぁとしみじみ感じます。

すべての人に効果があるわけでは無いと思いますが、花粉の落ち着いているこの時期にぜひ舌下免疫療法を始めてみませんか。

当院ではスギ花粉、またダニに対しての舌下免疫療法を行っています。

ぜひ一度ご相談下さい。

NES駒沢クリニック 医師 吉武光太郎監修