少し前に胃腸炎のブログで経口補水液について少し書きました。

掘り下げればもう少し詳しくお伝えできるのではないかと思い、今回経口補水液について書いてみます。

内容が重なっているところもあるかと思いますが、ご了承ください。

 

経口補水液とは?

ナトリウムなどの電解質とブドウ糖などの糖分をバランス良く混合した飲料で、脱水症のための食事療法に用いる飲料液のことです。体液とほぼ同じ浸透圧のため、吸収率や吸収速度が高く飲む点滴とも言われています。

市販のものだとオーエスワン(大塚製薬)、オーエスワンゼリー(大塚製薬)、アクアサポート(明治)、アクアソリタ(味の素)などがあります。

 

スポーツドリンクとの違いは?

経口補水液のほうが電解質の濃度が高く、電解質の吸収を良くするために糖濃度が低い組成になっています。

具体的に100mlあたりの量を下記に示します。

 

 

ナトリウム

カリウム

クロール

ブドウ糖

オーエスワン

115mg

78mg

117mg

1.8g

とあるスポーツドリンク

40mg

8mg

0mg

4.7g(*炭水化物として)

*商品によって糖質(ブドウ糖)ではなく炭水化物の表記が使われることがあります。炭水化物は糖質と食物繊維の総称です

**表は100mlあたりの量です

 

どのような時に飲むの?

胃腸炎による下痢や発熱などを原因とした軽度から中等度の脱水症の際に飲みます。

また、脱水を伴う熱中症の際にも飲めます。水分摂取や食事摂取が十分できている健康な方は飲まなくて大丈夫ですよ。

 

どこで売っているの?

ドラッグストア、薬局、薬局併設のコンビニや病院内のコンビニで売っています。

 

効果ってどのくらいあるの?

重度の脱水がなければ点滴と同じ程度の効果があると言われています。さらに安全性も点滴よりいいという報告があります。

 

デメリットってあるの?

脱水症状のある人が飲むにはデメリットはありません。しかし健康な方が大量にのんでしまうとナトリウムの過剰摂取になる可能性があります。

 

どんな味がする?

塩分濃度が高く糖分は抑えられているのでしょっぱい感じがすると思います。

脱水症状の方が飲むととても美味しいと聞いたことがあります。個人差もあるかと思いますので自分の舌で確かめてみてください。

 

作り方を教えて!

水1L+塩3g+砂糖40g (+お好みでレモンやグレープフルーツなどの果汁)

イラストは計量スプーンの分量で示しています。はかりで重さをはかるより計量スプーンで作るほうが作りやすいかもですね。

 

レモンやグレープフルーツの果汁を入れるとカリウムの摂取もできますし、味が飲みやすくなりますよ。

作った簡易経口補水液はその日のうちに飲みきって下さいね。

市販のもののほうが電解質などを適性に含んでいるので市販の物を常備しておくといいかもしれません。

 

のむ量の目安はありますか?

乳児:体重1Kgあたり30〜50ml/日

幼児:300〜600ml/日

成人:500〜1000ml/日

上記を目安に飲みますが、脱水状態によって適宜増減して下さい。

 

経口補水液がうまく飲ませられず、脱水が進む場合は受診して下さいね。

子どもの重症な脱水のサインとしては手足が冷たい、泣いても涙が出ない、おしっこが出ない、時間とともに調子が悪くなる、反応に乏しくなる、目が落ちくぼんでくる、などがあるのでこのような症状の場合は経口補水を自宅で続けずに一度受診して下さいね。

NES駒沢クリニック 医師 吉武光太郎監修