少し前に保育園でトイレットトレーニングが始まったという女の子が5日間便が出ないということで受診されました。お話を聞くと、うんちが出ると幼稚園の先生がすごく褒めてくれてそれが恥ずかしくて便を出さなくなった、また、ご飯を食べるとうんちが出るので食べる量が減ったということでした。

お腹も張っていたので浣腸を行い、拳くらいの大きさで石のように硬い便が出ました。

たかが便秘、されど便秘です。拳くらいの硬い便をだすのはとっても痛いです。

では、どうしたらいいのか。

便秘で苦しむことがなくなるよう便秘について書いてみます。

 

便秘とは?

便秘とは便が長い時間出ないか、出にくい状態を言います。

また、週に3回より少なかったり、5日以上出ない日が続く場合や、便を出す時に痛がったり、肛門が切れて血が出る状態もさします。

便秘のために治療が必要な状態を便秘症と言います。

 

どうして便秘になるの?原因は?

子どもの便秘の原因は多くの場合、食事や運動などの生活習慣の影響を受けやすく、また食物繊維の摂取が少ないことが原因で便が出にくくなると言われています。

また風邪をひいたことをきっかけに便秘になるお子さんもいます。

便が出にくくなる状態が続き、少しずつ腸に便が溜まると、溜まった便から水分が吸収されて便が硬くなります。硬くなった便を出すのはとても痛いです。

1度そのような経験をすると、便を我慢するようになります。便を我慢すると便が出口にたまっていき、出口付近の腸が広がります。普段なら便が溜まったら腸から頭に便を出しましょうと命令が出て便が出るのですが、常に便が溜まっている状態が続くと、腸が慣れてしまいます。腸が慣れてしまうと便が溜まっても便を出せという命令が出ないため、ますます便が溜まっていきます。

このような悪循環をどこかで断ち切らないといつまでも便秘は続きます。

 

便秘の症状は?

一番多い症状は腹痛です。硬い便が出て肛門が切れて出血することもあります。

便秘がひどくて吐き気がしたり、ひどいと嘔吐をしたり、稀にお熱がでる子もいます。

 

どうやって便秘と診断するの?

まずは便の回数、硬さなどを詳しく聞きます。

それに伴う他の症状、嘔吐や下痢、生まれて初めて便をした時間、血便の有無なども聞きます。

診察では、お腹を触ったり、赤ちゃんだと肛門の位置が正しいのかなどもチェックします。

また、必要に応じてレントゲンや超音波の検査を行います。

ほとんどはお話を聞くことで診断ができます。

 

便秘に効く食べ物は?

食物繊維を多く含む食べ物がいいと言われています。

食物繊維は腸で吸収されず水分を含んで便の量を増やし硬くなることを防止する効果が期待できます。また、大腸内で発酵して腸に刺激を与える効果もあると言われています。

食物繊維が多い食材としては、野菜、海藻、果物、芋類、豆類です。

 

便秘のお薬は?

便秘のお薬には飲み薬と座薬があります。

よく使われる飲み薬が酸化マグネシウムです。これは効果が確実で安全性が高く、クセにならないお薬と考えられています。2歳以上であればモビコールというお薬もあります。

このお薬は少し多めの水に溶いて飲むお薬なので量が飲めないお子さんは難しいかもしれません。この他にもお薬の種類はありますが、お子さんに合ったお薬を使うのが一番だと思います。便の状態を確認しつつ一番適したお薬が飲めるようお手伝いできるのではと思っていますので、当院にぜひご相談ください。

 

どうやって治療していくの?

上記のお薬を使いながら生活習慣・食習慣の改善も行いましょう。

規則正しい生活を送る、バランスの取れた食事を3食きちんと食べる、体を動かすなど気をつけるといいと思います。

これらはあくまで補助的なものですが、お子さんの健康にとってもいいことなのでぜひ実践してみましょう。

また浣腸やお薬はクセになるものではありません。定期的に排便が出れば浣腸は必要なくなり、薬も減らしていくことができます。

子どもの場合は便秘で身長や体重の増加に影響を及ぼすことがあるので、先生と相談しながらしっかり薬を飲んで長期的に治療を行いましょう。

 

トイレットトレーニングはどうしましょう?

最初にも書いたように、無理なトイレトレーニングは便秘の原因になったり、悪化させたりしてしまいます。トイレトレーニングは本人がおしっこやうんちに興味を示したり、人のまねをしたりすれば始めてみましょう。

便秘の治療中は治療を行って、排便習慣がついた後に始めるといいですね。

 

今回は小児慢性機能性便秘症診療ガイドラインを参考に書かせてもらいました。

下記に詳細も載っていますのでぜひ参考にして下さい。

https://www.jspghan.org/constipation/files/pamphlet.pdf

 

こどもの便のことでお困りのことがあれば当クリニックにご相談下さい。

解決していけるよう一緒に頑張りましょう。