今回はRSウイルス感染症を取り上げます。

前回ヒトメタニューモウイルスについて書いたのですが、RSウイルスとヒトメタニューモウイルスは症状がよく似ています。症状だけではなかなかどちらの疾患か判断するのは難しいです。

 

・RSウイルスとは?

RSウイルスはパラミキソウイルス科のニューモウイルス属に分類されるウイルスです。

乳幼児の呼吸器感染症の原因のウイルスのひとつで細気管支炎や肺炎を起こします。

RSウイルスは2歳までにほとんどのお子さんが一度はかかるウイルスです。

以前は冬季に流行していたのですが、最近は流行時期が前倒しになってきています。

 

・RSウイルスの潜伏期間は?症状は?

潜伏期間は4−5日ほどです。その後上気道(鼻・口・喉)症状と言って、鼻水や咳、喉の痛みや晴れ、発熱などの症状が出現します。上気道症状で収まればいいのですが、RSウイルスが下気道(肺や細気管支)に入り込むことで重症化する危険性があります。

RSウイルスが下気道に入り込むと下気道症状と言って、呼吸が浅く呼吸の回数が増える、呼吸がゼイゼイする、鼻で息をするようになる、哺乳ができなくなるといった症状が出現します。

 

・RSウイルスにはどうやって感染するの?

感染経路は飛沫感染と接触感染です。非常に感染力の強いウイルスです。

咳やくしゃみ、会話などで飛ぶしぶきを吸い込んだり、ウイルスがついた手指や物を触った手を介してウイルスが口に入ります。

 

・RSウイルスの検査は?

鼻に綿棒を入れて10分ほどで結果がわかる迅速検査があります。保険適応は1歳未満です。しかしながら、検査を行ってRSウイルスだとわかったからといって治療方針が変わることはありません。

お子さんにとっては鼻に綿棒を入れて嫌な記憶だけが残ることが多いです。1歳未満であっても診察を通してお子さんには本当に検査が必要かどうか、またパパ、ママとも相談しながら最終的に検査をおこなうかどうか決めるようにしています。

自費診療で検査を希望される方はほとんどいませんが、検査だけ自費というのは混合診療といって認められていません。自費での検査を希望される場合は、検査料と診療料がかかります。

 

・RSウイルスの治療は?

RSウイルスに対する治療薬はありません。対症療法と言って、咳や鼻水があればそれに効くお薬を飲む、熱があれば解熱剤を使用する、鼻水で息が苦しそうなら鼻水を吸うなどを行います。

呼吸状態が悪くなると酸素の吸入が必要となります。症状が悪化して自分自身で呼吸ができなくなると人工呼吸を行う場合もあります。

 

・RSウイルスの予後は?

健康な乳幼児が感染した場合は予後は良好と言われています。極々まれですが中には重症化してしまって死亡してしまう例もあります。予定日よりも早く生まれた赤ちゃん、うまれつき呼吸器や心臓に病気をもっている赤ちゃん、免疫不全を伴う赤ちゃん、ダウン症候群の赤ちゃんの場合は重症化することが多く予後が悪くなることもあります。

 

・RSウイルスで入院することがあるの?

高熱が5日以上続く、水分摂取ができない、夜に眠れないなどの症状がある場合には入院の可能性があります。かかりつけの先生が判断してくれると思いますので相談しましょう。

 

・大人にもうつる?

大人もうつります。RSウイルスはどこにでもいる風邪のウイルスなので、一生のうちに何度も感染します。大人の場合何度も感染しており、一般的には軽い風邪のような感じで終わることがほとんどです。

 

・保育園はどうすればいい?

RSウイルスに関しては登園の基準はありません。

熱がなく、鼻水や咳などの症状が安定していて全身状態がよければ登園して大丈夫です。判断に困るようなら一度受診ください。

 

RSウイルスですが、非常に感染力の強いウイルスです。手洗いうがい、マスクの着用などで感染しないように気をつけましょう。パパ・ママや兄弟からの感染が多いので小さなお子さんのいる家庭ではみなさんで感染対策を頑張りましょう。