今回は発熱について書いてみたいと思います。

発熱は子どもの体調不良の中で一番多い訴えだと思います。なぜか夜に突然というシチュエーションが多いのではないかと思います。そんな時に慌てず対応できるようにポイントを書いてみましたので、是非一読ください。



急な発熱時の対応

まずはお子さんの状態を把握しましょう。

我々小児科医はお子さんの体温だけで重症度を判定することはありません。

見た目の状態で重症度を判断しています。

たとえ高熱でも水分が取れていて遊んでいたり睡眠がしっかり取れていたりすれば様子を見て大丈夫です。




受診しなければいけない発熱

生後1ヶ月以内の発熱は基本的には全てのお子さんが入院となり、熱の原因を調べるために血液検査や尿検査などを受けます。

また生後3ヶ月未満でも熱の原因が不明な場合は、基本的には入院して原因を調べるための検査を受けることが必要となります。

生後2ヶ月からは予防接種が始まりますがその際の副反応で熱が出た場合は上記の限りではないので、医療機関を受診する際にワクチン接種をおこなった旨を伝えましょう。

ワクチン接種後の副反応の熱では割と機嫌もよく哺乳も良好なのが特徴です。




解熱剤は使ったほうがいいの?

熱が出るという反応は、体がウイルスや細菌を外に出そうとする人間の防御反応ですので、熱が出たからすぐに解熱剤を使用するというのは必ずしも適切ではありません。

お子さんの様子を見てぐったりしている、機嫌が悪く水分摂取ができない、眠れない、熱でつらそうなどの状態であれば速やかに解熱剤を使用しましょう。

 

解熱剤には飲み薬と坐薬があります。どちらの方がよく効きますかと言う質問を受けますが、どちらの効果も変わりはありません。

お子さんにとって使いやすい方を使用しましょう。

飲み薬が苦手なお子さんは坐薬、坐薬を嫌がるお子さんには粉かシロップを使います。

シロップは保存性が悪いので症状が改善すれば破棄するのがお勧めです。坐薬は保存性が良く1年位は保存がききます。




熱が高いと脳に影響するの?

40度ほどの高熱が出ていても脳に悪影響を及ぼすことはありません。

ただし、熱が出て普段よりボーッとしているなど、意識状態が悪い場合は上記には当てはまらないため医療機関を受診してください。





自宅でできることは?

適切なタイミングで解熱剤を使用して、少し熱が下がったり少し体が楽になった時に水分摂取を行い脱水になることを防ぎましょう。おでこを冷やしたり、首や脇の下や太ももの付け根など大きな血管の通り道を冷やすのもいいかもしれません。ただ、お子さんが冷やすのを嫌がってしまうのであればやめておきましょう。冷やして快適に過ごせるのであれば冷やしましょう。



受診の目安を教えて!

熱が5日以上続く、ぐったりしている、ボーッとしていて目が合わない、顔色が悪い、呼吸が速い、生後6ヶ月未満、おしっこが出ていない、頭やお腹をとても痛がる、不機嫌でまとまった時間の睡眠が取れない、予防接種を受けていない、などがあれば早めの受診をお勧めします。




以下のホームページを参照されるといいかなと思いますのでいくつかご紹介しておきます。

・こどもの救急:http://kodomo-qq.jp/index.php

・教えて!ドクター:https://oshiete-dr.net/

NES駒沢クリニック 医師 吉武光太郎監修