舌下免疫療法

子供の花粉症は、近年増加傾向にあり、日本小児アレルギー学会の調査によると小学校低学年の児童の20%が花粉症の症状を抱えているとされています。また1割以上のこどもが花粉症に罹患しているともされています。
スギやヒノキやブタクサなどの季節の花粉がアレルギー源(アレルゲン)になり、アレルゲンに対する過剰な免疫反応が花粉症の症状を引き起こします。具体的にはくしゃみや鼻水が出たり鼻が詰まったり、目を痒がったり、だるそうにしたり、ボーッとしたり、喘息のような咳が出たりする症状があります。
ダニがアレルゲンになる場合は1年を通して、くしゃみや鼻水が出たり鼻が詰まったり、皮膚を痒がったり、喘息のような咳が出たりすることがあります。
舌下療法とはスギとダニのアレルゲンに対して保険適用している治療で、年単位で治療することで、全身的な包括的なこれらの症状の緩和を目的とするものです。
WHOは3~5年間を治療期間とすることを推奨していますが、治療開始して3ヶ月程度で症状が軽くなることを実感できます。対症療法薬のように即効性を期待して治療を行うものではありません。
子供のスギ花粉症の舌下免疫療法について
花粉症の根治的な治療法として舌下免疫療法があります。舌下免疫療法は舌下免疫や舌下療法とも呼ばれます。アレルギーの原因となっている成分(アレルゲン)をベロの下から取り込むことで、アレルゲンに対して過剰であった免疫反応が少しずつ落ち着いて、アレルギー症状が起きないようにしていく根治的な治療方法です。
スギ花粉による子供アレルギー性鼻炎患者の場合には、舌下免疫療法後の喘息発症が抑制されることなどが報告されています。
花粉症では、舌下免疫療法はスギのアレルゲンに対して保険適用で治療可能です。
お薬の名前は、シダキュア・シダトレンといいます。
スギアレルゲンの舌下療法の場合は、スギ花粉が飛散している時期はアレルギー反応に過敏になっていて強いため、舌下療法を開始することはできず、スギ花粉が飛散しなくなる6月~12月に治療を開始できます。
治療には通院が必要で原則月に1回の通院頻度となります。
※舌下免疫療法の治療のご予約は、一般診察をご選択ください。
鼻水に色がついていたり、粘性のある鼻水が出る場合は花粉症ではないので、発熱外来・感染外来をご選択ください。
※2023年9月現在、舌下免疫療法は火曜と木曜は行っていません。
子供のダニアレルギーの舌下免疫療法について
子供のダニアレルギーの舌下免疫療法について、ダニがアレルゲンのアレルギー性鼻炎やアトピー型喘息に対して症状緩和の効果を期待できます。また、治療を続けることで対症療法のお薬を減らす効果があります。
中には無効な方もいますが、一般に他のアレルゲンに感作がなく、ダニにのみ感作を認める方では高い効果を期待できます。3~5年にわたり免疫療法を続けた場合、治療終了後も長きにわたって効果が持続することが期待でき、また新規のアレルゲン感作を抑制することが報告されています。
保険適用で治療ができ、ダニアレルギーの舌下療法のお薬の名前はミティキュアといいます。
ダニの舌下療法の場合は通年治療を開始できます。
治療には通院が必要で2~4週間に1回の通院頻度となります。
※舌下免疫療法の治療のご予約は、一般診察をご選択ください。
鼻水に色がついていたり、粘性のある鼻水が出る場合は花粉症ではないので、発熱外来・感染外来をご選択ください。
※2023年9月現在、舌下免疫療法は火曜と木曜は行っていません。
こどもの花粉症の症状について
こどもの花粉症は5~6歳ぐらいから発症します。主な症状は鼻水、鼻詰まり、くしゃみ、目のかゆみ、充血、喉のかゆみ、皮膚のかゆみなどがあります。症状が重くなると発熱や頭痛などの症状が現れることもあります。スギ花粉の場合は例年年明けぐらいから症状がで始めゴールデンウィークぐらいまで続きます。こどもの花粉症の場合は症状が軽くても学校生活や日常生活に支障をきたすことがあり、気管支喘息やアトピー性皮膚炎も併発することもあるため、適切な対策が必要です。
舌下免疫療法がおすすめの方
- 5歳以上のお子さんでスギ花粉症の症状で悩まれている方
- 5歳以上のお子さんでダニアレルギーがあり、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみ、咳、喘息様の咳、ゼイゼイとした呼吸、夜間~早朝に悪化する咳がある方
舌下免疫療法ができない方
- 5歳未満の方
- 重度の気管支喘息の方
- 悪性腫瘍、免疫不全の既往がある方
- 免疫抑制剤を服用している方
- 65歳以上の方
子供の舌下免疫療法開始時期
スギ舌下免疫療法のシダキュアはスギ花粉が飛ばなくなる6~12月の間で治療開始できます。
ダニ舌下免疫療法のミティキュアは、1年を通して治療開始できます。
舌下免疫療法の治療の流れ
- 1
診察・血液検査(通院)
医師による診察を受けます。アレルギー症状の有無や病歴、その他の状態を評価します。また、アレルゲンの検査のため血液検査を行います。
- 2
診察・初回投薬(通院)
※初回投与後30分間院内で安静が必要です。
血液検査の結果と舌下免疫療法についての説明を受け、治療の内容や期間、注意点などについて確認します。
2回目以降の服用は連日ご自宅で行います。
- 3
診察(通院)
治療中は原則月1回の通院となります。定期的に医師の診察を受け、症状の改善状況や投与量の継続の判断、治療期間の確認などを行います。
こどもの花粉症の検査について
こどもの花粉症の診断は、問診を行なってどんな症状なのか、症状の出現時期などを聞き取った情報を元に診断を行います。
何の花粉に対してアレルギー反応を起こしているのかさらに詳しく検査をご希望の場合は、血液検査やプリックテストをして調べることができます。
NES駒沢クリニック小児科では血液検査でより詳しくアレルギー源を検査することができます。
NES駒沢クリニック小児科では、経験豊富な優しい小児科医が診察を行っています。
こどもの花粉症で悩んだ際は一度受診をしてください。
※舌下免疫療法の治療のご予約は、一般診察をご選択ください。
鼻水に色がついていたり、粘性のある鼻水が出る場合は花粉症ではないので、発熱外来・感染外来をご選択ください。
※2023年9月現在、舌下免疫療法は火曜と木曜は行っていません。
よくある質問
- 舌下免疫療法は何歳から治療ができますか?
- 舌下療法は5歳から治療可能です。
- 子供の舌下療法を開始できる期間はいつから、いつまででしょうか?
- スギ花粉の舌下療法(シダキュア)は6月~12月の間で治療開始できます。
ダニアレルゲンの舌下療法(ミティキュア)は通念治療を開始することができます。
- 舌下療法のお薬、(シダキュア、ミティキュア)を飲み忘れた場合はどうしたらいいですか?
- 舌下療法のお薬(シダキュア、ミティキュア)を飲み忘れた場合は、翌日から再開になります。1週間以上飲み忘れた場合は初めから治療開始となります。
- 子供に舌下療法のスギ花粉症の治療を行なっている病院を東京で探しているのですがありますか。
- NES駒沢クリニック小児科は、東京の世田谷区にあります。子供のスギ花粉症とダニアレルギーに対して舌下療法を行なっています。
- 舌下免疫療法のデメリットはありますか?
- 舌下免疫療法のデメリットは毎日服用することです。痛みは全くありません。また重篤な副作用として頻度は高くないですがアナフィラキシーを起こす可能性があります。
初回服用後30分は院内で待機してアナフィラキシーを起こさないか経過観察が必要です。
- 舌下免疫療法の効果はいつからわかりますか?
- 舌下免疫療法の効果は少しずつ感じられます。通常は3ヶ月程度で症状が軽くなったのを感じることができます。
- ハウスダストに対する舌下免疫療法はありますか?
- 直接ハウスダストを使った舌下免疫はないのですが、ハウスダスト中に含まれるダニに対しての舌下免疫療法があります。
- 舌下免疫療法中でも他の花粉症の薬は使っていいですか?
- はい、大丈夫です。舌下免疫療法中でも花粉症や喘息のお薬は併用していただけます。
- 舌下免疫療法にかかる子供の費用はいくらですか?
- 保険適用の治療となります。
通常お子さんの場合は無料になります。
中学生以下の子供の場合、都内23区在住であれば窓口でかかる費用はありません。区によって高校生まで無料の場合があります。
神奈川県在住の子供が当院(東京都世田谷区)に受診した場合は2~3割負担の費用がかかります。
都外からの受診で、窓口負担がある場合は、初回の診察・検査等で5,000円程度(3割負担)、免疫舌下療法のみの再診の治療の場合、クリニックと薬局を合わせ約1,800円(3割負担)/月の窓口負担となります。
- 舌下免疫療法のスギ花粉に対するお薬シダキュアの副作用はなんでしょうか?
- シダキュアの副作用と出現頻度は下記になります。
口腔浮腫113例(14.4%)、咽喉刺激感112例(14.3%)、耳そう痒症98例(12.5%)、口腔そう痒症67例(8.6%)、咽喉頭不快感57例(7.3%)、口腔内不快感47例(6.0%)
この他に重篤な副作用としてアナフィラキシーショックがあります。
(転載元:https://www.torii.co.jp/iyakuDB/medical_info/cdc5000.html)
- 舌下免疫療法のダニ抗原に対するお薬ミティキュアの副作用はなんでしょうか?
- ミティキュアの5歳以上18歳未満の副作用と出現頻度は下記になります。
ダニアレルギー性鼻炎患者を対象とした国内第III相臨床試験において安全性評価対象227例中150例(66.1%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。
主な症状は、口腔そう痒症51例(22.5%)、口腔浮腫29例(12.8%)、咽喉刺激感27例(11.9%)、口腔腫脹22例(9.7%)、口腔内不快感20例(8.8%)、耳そう痒症15例(6.6%)、口唇腫脹13例(5.7%)、咽頭不快感12例(5.3%)等、この他に重篤な副作用としてアナフィラキシーショックがあります。
(転載元:https://www.torii.co.jp/iyakuDB/medical_info/mtc3300.html)
※舌下免疫療法の治療のご予約は、一般診察をご選択ください。
鼻水に色がついていたり、粘性のある鼻水が出る場合は花粉症ではないので、発熱外来・感染外来をご選択ください。
※2023年9月現在、舌下免疫療法は火曜と木曜は行っていません。